メア発言について、非常に興味深い論評があった。
納得である。
以下ご覧いただきたい。
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□□■平河総合戦略研究所メルマガ■□□(2011年3月12日 NO.871号)
☆☆甦れ美しい日本☆☆
◎井上政典 【和訳の仕方でこうも変わる】
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英語の原文を探していたら、よくできたブログがありました。
>>>INFOSTER「今日もいい波に乗ろう」から引用
今巷を賑わせているメア元日本部長の去年12月の発言が問題になっていますが、問題になっている原文の箇所は、
Japanese culture is a culture of “Wa” (harmony) that is based on
consensus. Consensus building is important in Japanese culture. While the
Japanese would call this “consensus,” they mean “extortion” and use this
culture of consensus as a means of “extortion.” By pretending to seek
consensus, people try to get as much money as possible. Okinawans are
masters of “manipulation” and “extortion” of Tokyo.
ですが、訳を見比べてみてください。
その1【問題視されている部分の訳文 (沖縄タイムス掲載 翻訳:共同通信)】
日本の文化は合意に基づく和の文化だ。合意形成は日本文化において重要だ。しかし、彼らは合意と言うが、ここで言う合意とはゆすりで、日本人は合意文化をゆすりの手段に使う。合意を追い求めるふりをし、できるだけ多くの金を得ようとする。沖縄の人は日本政府に対するごまかしとゆすりの名人だ。
その2【問題視されている部分の訳文(ゆすりを強要、ごまかしを巧妙に操ると訳すとこうなります)】
日本文化は和の協調に基づいています。コンセンサスを得ることは日本文化において重要なことです。日本人はコンセンサスを「合意」と考えているとしても、彼らは(沖縄の人)がコンセンサスを「強要」をすることだと思っています。合意を求めるふりをしながらできるだけ多くのお金を得ようとします。 沖縄県民は政府やマスメディアを巧妙に操ることと交渉
において要求を強要する名人です。
>>>引用終わり
日本のメディアでは「沖縄の人はごまかしとゆすりの名人だ」という訳が主流になっているが、偏見や悪意をはずして訳する下のような文章となり、なんらおかしくなくなります。
わざと悪意に満ちた訳文を載せているように思えてなりません。この英文を見て、一緒に聴いていた他の学生は間違っていないといっています。だからこの講義録の文章は間違っていないのだといっています。
でも、彼らの理解している英文の意味と私たちが新聞やテレビで言っている和訳の意味と同じなのでしょうか。
もし下段の訳の意味で言っているなら別に暴論ではなく、ただの個人的な分析です。別に非難されることもないし、問題になることもありません。
日本のことが分かっているから、「和」の精神を段落の始めに持ってきて最後にちょっと皮肉で締めくくったのだと思います。
でも、日本人は、日本語訳をみて憤り、アメリカ人は英語の文章を見てそうだといっているから間違いない。メア氏は沖縄をバカにしていると一部の新聞テレビが騒ぎ立てているが、本当にそうなのでしょうか。
日本人が当たり前だと思っている英語の訳は、欧米人が思っているのとかけ離れているものがたくさんあります。
たとえば、小沢一郎氏の大好きな「国際連合・国連」は、「the United Nations・UN」と本来はいいます。この英文の中に「国際」という言葉は入っていません。直訳すると「連合国」ですね。
私たちが日本語で国連といって世界の救世主のように思っている組織は、実は日本やドイツを敵国とした国々の集まりなのです。だからまだ敵国条項が残っており、日本もドイツも立派な敵国に入っています。
以前にも書きました「夢」は「dream」ではありません。英語の「dream」は二つ意味があり、寝て見るものと将来実現しようとしているものがあります。でも、日本語の「夢」には寝てみるものだけのです。よって英語の「dream」のもう一つの意味は「志し」と訳すべきなのです。
しかし、この誤訳のせいで日本語の「夢」の中に英語の意味が混じって使われています。本来の日本語が変化し始めているのです。
歴史でも小西行長が戦争を終らせるために秀吉に見せる明の国書をわざと誤訳したことがばれて大事になったこともあります。
これとは逆に日本とアメリカの仲を裂くような訳し方が「その1」の訳し方です。
「鐘(かね)」と聞くと皆さんは何を思い出すでしょう。ふるさとや京都のお寺の鐘ではないでしょうか。そして、その鐘からは「ゴォーン」という懐かしい音が聞こえてくるのではないでしょうか。